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相続人調査をしたが相続人が失踪していた場合の処理

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最近相談を受けて調べたので、メモとして掲載しておきます

相続人を調査していると会ったことのない人が相続人に??

弁護士として相続人の調査をするため戸籍を集めることが多いのですが、とくに子どもがいない方の相続の場合、関係者にとって全く知らない人が相続人になっているという事例があります。

昔は、子どもが多く、兄弟姉妹に相続がなされ、その子が・・・という形で、かなりの広がり、細かい相続割合となることも少なくありません。

また、かつて流行した、節税のための「養子縁組」によって、相続人が増えていたというケースもありました。

そんなわけで、関係者の知らない人が相続人になっているケースは、実はそれなりにあります。

見つかればいいが、失踪しているケースも?

弁護士は、戸籍から「戸籍の附票」をたどり、住民票に記載された住所にたどり着くことができます。(これは、弁護士だからこそできることです)

しかし、住民票のところに住んでくれていないこともあります。

一人でも相続人がいないと、遺産分割協議もできず、困った事態になるわけです。

相続人が失踪している場合に取る3つの手段

できる限り探すこと(警察への捜索願、携帯電話契約者の登録先調査など)

一番良いのは、その相続人を見つけることです。

たとえば、警察への捜索願を出すことや、探偵事務所を使ったり、また携帯電話の番号が分かるならば、弁護士がその携帯電話の契約者の情報を照会することで現住所が割り出せることもあります。

不在者財産管理人の申立て

それでも見つからない場合に、「不在者財産管理人」という方を裁判所に選任してもらい、さらに裁判所の許可を得て遺産分割協議をする方法もあります。

不在者財産管理人というのは、いなくなった相続人の「代わりに」弁護士が遺産分割協議をするわけです。

この申立てをするために、「探しても見つからなかった」ということを裁判所に報告しなければなりません。

さらに悩ましいのは、裁判所に対して予め預けるお金として約100万円(地域や案件によります)を納付しなければならないということです。(このお金は不在者財産管理人の報酬として使われます)

これにプラスして、申立てのための弁護士費用もかかります。作業としては、相続財産の相続分を確認したり、不在者であることの報告書を作成するなど、個人破産プラスアルファの作業が必要になるため、それなりの費用(30~100万円程度)がかかると考えていただければと思います。

失踪宣告

また、既に亡くなっていそうな場合は、「失踪宣告」という制度で、死んだことにするという方法も考えられないではないです。

しかし、この制度は、原則として行方不明時から7年かかります。それなりに大変ですし、さらにその人の相続人が相続財産の持分を有することになるので、さらに事態は混迷していく場合もあります。

さまざまな手段があるが、どれを選択するかは弁護士と要相談!

このように、さまざまな手段がありますが、捜索しても見つからないときは、弁護士に相談し、方針決定してもらうべきでしょう。

弁護士 杉浦智彦