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後継者が決まらないと事業承継税制は使えない?

更新日:

社長
今年から、後継者に引き継がせる株式の贈与税が全て猶予・免除されるようになるみたいじゃないか。私の会社も後継者候補が何人かいるから、検討してみようと思うのだが
弁護士
そうですね。社長のところもそろそろのタイミングかもしれません。ただ、事業承継税制は、後継者が決まらないと使うのを避けるべきです。まずは事業承継の計画から決めていきませんか

 

事業承継税制

事業承継税制は、先代経営者が後継者に引き渡す株式の贈与税を猶予・免除する税制度です。

これを適用するにはいくつか条件がありますが、その一つの条件として

株式を一括で渡しきらなければならないというところです。

先代経営者が株式の過半数を持って、後継者を見守りながらという形はできないのです。

 

後継者が事業に向いていないことも?

後継者に株式を引き継いでしまったあと、このようなトラブルが起こることがあります。

・後継者に経営を任せてみたが、従業員の支持が得られず、社内がギスギスした

・後継者は職人としてのスキルはあるが、経営のスキルがなかった

・後継者に突然ガンなどの大病が発覚した

このようなことで、望んでいた後継者に引き継げなくなることもあります。

一度後継者に株式を渡してしまうと、そこから引き返すことは大変です。

そのためにも、いきなり事業承継税制を使えるかを検討するべきではないのです。

ではどうするのがいいの?

まずは、後継候補者・専門家といっしょに、5~10年の「事業承継の計画」を立てていきましょう

その中で、いつ、どのくらいの株式を引き継ぐべきかを協議し、その引継ぎのタイミングで事業承継税制を活用しましょう。

そうすることで、きちんとした後継者への引継ぎ作業もでき、円満な事業承継が実現できます。