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株式の価額の計算方法(その2)

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前回の続きです

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価額の決め方3方向

ところで、なんだかよくわからない物の値段を決めるとき、あなたならどうやって決めるでしょうか。

価格の決め方と同じ2方向

いわゆる「原価」がいくら掛かるかどうかから考えるでしょうか。

または、類似商品の相場や過去の取引実績をみて、そこから決めるでしょうか。

実は、この2つの方向は、価額の決め方の2方向になります。

1つ目は、かかる原価から価値を考えるという方法で、「コストアプローチ」なんていう言い方をします。ただ、この手法、雑な言い方をすると、「原価★円でできるものなんだから、価値も★円だ」という、原価厨みたいな発想なんですね。今後解説しますが、だからこそ、この手法はそのままで採用されることはなく、修正がされます。

2つ目の類似商品や過去の取引実績から判断する方法は、市場に判断を委ねるということで「マーケットアプローチ」なんていう言い方をします。

別方向の「インカムアプローチ」

もう一つの方向は、一般的な値段の決め方とは別になります。生み出す価値から逆算するのです。

たとえば、毎年10万円ずつ、10年間お金を生み出し続ける「金のなる木」の価値、あなたならどう判断しますか?

10万円×10年間ですから、100万円でしょうか?

いえいえ、今すぐ手元の100万円を払って、最終的に(しかも本当に収穫できるかわからない)100万円が手に入るかもしれない「金のなる木」を100万円で買う人なんかいません。

将来手に入るお金にすぎないからこそ、多少の割引をしなければ買ってもらえません。

そんな感じで、「将来お金を継続的に生み続けるものの現在の価値を割り出す」というのが、インカムアプローチという手法になります。

それぞれのメリット、デメリットについては、次回解説します。

弁護士 杉浦智彦