http://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/hojin/1805xx/index.htm
中小企業を取り巻く事業環境は一部を除いて好転せず、事業規模に比べて過大な金融負債を抱えている中小企業はまだまだ多く、過大負債を残したまま廃業に至ってしまう中小企業が今後はさらに多くなると想定されています。
このような過大な負債を抱えながら廃業を決断せざるを得ない中小企業が取るべき選択肢としては、破産手続だけではなく、その事業資産を有効に譲渡するなどしながら円滑に廃業手続を進めていく手続が検討されます。
その一つが従業員の再雇用先を斡旋し、取引先に対する最低限の取引終了対応を行うなどによって、利害関係人の損害を最小限にしながら廃業に至る方法である、特定調停スキーム(廃業支援型)です。
今回の照会は、特定調停スキーム(廃業支援型)のときの債権者・債務者などの税務上の取扱いについて、破産や民事再生などの法的倒産手続きと同様に取り扱われることが確認されたものになります。
承継できず、廃業をすることになる事案で活用できるものであるため、紹介しました。
弁護士杉浦智彦