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先代の決意を揺るがさないようにするための「信託」

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信託と遺言の最大の違いは「撤回できるか」

遺言は、じつは撤回し放題です。

先代が、その後の後継候補者の行動をみて、あとから先代が遺言を勝手に書き換えて後継者を変更することもできます。

そのような点で、遺言というのは、事業承継で使う上で若干不安定な制度なのです。

それを止めることができる方法が、「信託」という制度です。

信託で引き継がせたら撤回はできない

信託を遺言の代わりに使うことができます。「遺言代用信託」といったりもします。

はじめは、受益者を委託者である先代にして、先代死亡後に、受益者を後継者にするという制度です。

これをつかうと、全員の同意がないと、勝手に撤回できません。

そのような点で、信託は、安定感のある制度です。

安定する分だけ、後継者選定を慎重に

遺言のようにあとから撤回できない分、先代経営者は、後継者の選定を慎重にしなければなりません。

また、信託の悩ましい点は、受託者といって、財産を管理する人の横領リスクがあります。

信託の横領リスクについては以下の記事を参照してください。

https://shoukei-houritsu.net/embezzlement/

弁護士 杉浦智彦