スタンドアローン問題とは
中小企業の価値を評価するときに問題となるのが、「スタンドアローン問題」と呼ばれるものです。
中小企業の場合、法人と、経営者個人の財産関係が混ざっていることが多いです。
たとえば、ある工場の土地は個人名義、建物は法人名義となっている場合を考えましょう。
会社の価値を考える上で、土地がなければその事業は成り立ちませんが、法人のバランスシートには土地が計上されていません。
このように、経営者の人的な関係があるから有利な条件による取引やサポートなど有形無形のメリットを受けていた対象会社が、M&Aにより当該経営者個人から離脱した結果、それらのメリットが得られなくなる問題を、「スタンドアローン問題」いいます。
Stand alone(ひとりぼっち)という意味のとおり、独り立ちする場合の価値を考えなければならないということですね。
弁護士 杉浦智彦