従前は、税務上の評価と、実際の評価に差が生じる不動産を購入することで、その節税効果を得ようとするスキームがありました。
ただ、現在は、事業承継のときにキャッシュを残しておいたほうがいいということで、むしろ不動産を購入してキャッシュを減らしてしまうのはまずいという話になっています。
とくに不動産は、簡単に売れないですので、税金の支払いが足りなくなったり、他の人の持分を買い上げたりするときに、お金がなくなって困るなんていうことが想定されるわけです。
そんなわけで、不動産を活用した節税スキームは、勢いを失いつつあります。
今後、「流動性(=売りやすさ)はあるが、市場価格と税務の評価が違う」という商品が出てくると、それは爆発的に売れるのでしょうね。
最近、いろんなところから、節税スキームの話を聞いたため、思ったことでした。
弁護士 杉浦智彦