親子の対立などはよくある
実務に出ていて思うのは、経営者の親子の対立が激しい場合があるということです。
たとえば、お父さんが経営者で、株式も、父・母・子がそれぞれ持っているような会社の場合を考えましょう。
お母さんと子が仲違いしているとき、もしお父さんが亡くなったとき、会社はどうなるでしょうか。
「あいつに得させたくない」という心理が会社を壊す
実は、対立しているときの心理状態として、「あいつにだけは、絶対得させたくない」と思うことがあります。
その結果、(仮にいずれも会社を承継する気があるとしても)株式を相互に集めることは困難な場合が多いように思います。
そのため、親族間で承継できないという事態が起こります。
家族の対立が、従業員の雇用の場を奪うのです。
対立があるときは第三者に承継するほかない
親族間に対立があるとき、他の親族を代表にすることも望ましくありません。なぜなら、結局、どちらかの息のかかった人をいれようとするので、代理戦争になってしまうからです。
対立があるときは、第三者に引き継ぐのがベストだとはいえます。とくに両者が引き継ぐ気がそれほどなく、しかし会社は残したいと思う場合は、この選択をすべきです。
弁護士など、専門家に相談し、どうしていくかを相談していただくのがよいかと思います。
弁護士 杉浦智彦