会社の設立時に、「事業」など、現金ではないものの出資(現物出資)を受けるときには、検査役という方を選び、調査を受けなければなりません。
さらに、設立中に、事業を引き受けることを約束すること(財産引受)も、検査役という方を選ばなければなりません。
検査役は、発起人が、地方裁判所に選任を申し立てることで選任できます。通常は弁護士が選任されます。
ただ、検査役はコストもかかるし、なにより面倒ですよね。
そこで使われるのが「事後設立」という方法です。
会社成立から2年以内に純資産の20%を超える対価で事業を譲り受けるようなときは、「事後設立」といって、株主総会の特別決議が必要となります。
かつては、事後設立も、なんだかんだで財産引受などと大きく変わらないので、検査役が必要とされていたのです。しかし現在は、不要という形に法律が改正されました。
そのため、新しい会社を発起設立で立ち上げてしまって、そのあと、事業を譲渡してしまって分社化すれば、検査役なんかいらないのです。
しかしながら、それなりに手続きは複雑ですし、スタートでドジを踏むのもどうかと思いますので、まずは弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
弁護士 杉浦智彦