事業承継のタイミングは労働問題が起こりやすい?
中小企業の先代経営者は、不景気の波を乗り越えて、きちんと従業員を養ってきた素晴らしい存在ばかりです。
従業員にとって先代経営者は「親」のような存在といえるでしょう。
従業員が先代経営者に対して文句を言うということは、なかなか考えにくかったというのが実情でしょう。
しかしながら、後継者が相手となれば、話は別です。
「社長の息子だからって、何もできないくせに偉そうに指示しやがって」
「先代はよかったが、今の社長は何もできないな。」
どれだけ有能な後継者であっても、はじめは従業員にこのようなことを言われることがほとんどです。
そのとき、これまでは全く問題になっていなかったようなことが、急に言われるようになるのです。
よくあるのが、就業規則と実際の勤務の実態が合っておらず、多額の残業代請求などがされる事例です。
また、後継者を巡っての内部での覇権争いがあり、
それによって従業員の関係が険悪になったり、一部の従業員に退職してもらうことになることもあります。
そのとき、解雇無効の訴えなどをされることも多いです。
また、いきなり労基署が来るということもあります。
どうするのがよいか
就業規則はパンドラの箱。後継者はいじるべきでない?
就業規則が問題となったとしても、後継者が、就業規則を修正することは、従業員の反発を招きます。
就業規則は、「パンドラの箱」なのです。
先代経営者しか就業規則を修正できない?
先代経営者は、引継ぎ前、かつ問題が発生するまでに労働環境を整理しておくべきです。
そうすることで、従業員の反発も起こりにくいといえ、後継者に円滑に事業を引き継ぐことができます。
パンドラの箱は、箱詰めした先代経営者しか開くことはできないのです。
でも、具体的にはどうしたらいいの?
先代経営者が修正しなければならないといっても、やはり限度があります。
さらに、目の前にある業務をこなしながら、事業承継に備えて労務問題を洗い出すことは難しいといえます。
そんなとき役立つのが、専門家である弁護士です。
弁護士が、貴社の労働問題について、資料を見て判断させていただき、
どの点を修正すべきか、具体的にアドバイスすることができます。
具体的な手続の流れもお伝えすることができます。