弁護士と事業承継

M&A仲介の「闇」とは?事業承継で失敗しないための弁護士からのアドバイス

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近年、中小企業の事業承継においてM&Aは非常に一般的な選択肢となりました。しかし、その需要拡大の裏側で「M&A仲介の闇」とも呼べるトラブルが増えているのをご存知でしょうか。

今回は、後悔のない事業承継を実現するために知っておくべき、仲介事業者の現状と対策について解説します。

M&A仲介事業者の急増と資格の不在

現在、後継者不足の解消などを目的としたM&Aの活用が身近になったことで、仲介を名乗る事業者が急増しています。

本来、仲介会社の役割は売り手と買い手の間に立ち、双方が納得する条件での成約を目指すことです。しかし、ここで一つ大きな問題があります。M&A仲介には特別な資格や免許が必要ないという点です。

弁護士や公認会計士のような国家資格がなくとも事業を行えるため、経験や知識が乏しいまま参入するケースも散見されます。その結果、仲介手数料や成果報酬を優先し、以下のような不適切な対応が行われることがあります。

  • 不十分な情報提供

  • 一方に偏ったアドバイス

  • 有力な買い手への忖度(売り主に不利な契約の推進)

注意すべき「悪質な買い手」の手口

仲介業者だけでなく、買い手側にも注意が必要です。売り手側の「後継者がいない」という弱みや不安に付け込む悪質な事業者が存在します。

実際に起きているトラブル例

  • 不当な買収価格の提示: 無知や不安に付け込み、相場より著しく低い価格を提示する。

  • 買収後の放置と破産: 買収後、経営者保証を外さずに会社のお金だけを抜き取り、最終的に売り手企業を破産に追い込む。

こうした事態に陥ると、長年守ってきた会社や従業員、そして経営者自身の生活まで脅かされることになります。

「闇」を回避し、円滑な事業承継を進めるために

こうしたリスクを避けるためには、仲介会社にすべてを任せきりにしないことが不可欠です。

1. 専門家のアドバイスを受ける

仲介会社は「双方」の間に立ちますが、弁護士は「依頼者」の利益を守るために動きます。契約内容やデューデリジェンス(資産査定)の範囲について、法律や会計の専門家から客観的なアドバイスを受けるようにしましょう。

2. 契約内容の徹底的な確認

少しでも疑問があれば、そのままにせず相談してください。正しい知識を持ち、信頼できるパートナーを選ぶことが、最善の対策です。

M&Aはゴールではなく、新しいスタートです。後悔のない事業承継を実現するために、ぜひ慎重な対応を心がけてください。

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