会社法

安定・多数株主を確保するために使われる「株主間契約」とは?

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株主間契約とは?

株主間契約(かぶぬしかんけいやく)とは、株主の間、または会社と株主の間で、株式についての何らかの拘束をする契約です。

典型的なものは、株式譲渡についての同意条項・先買権条項・売渡強制条項、議決権行使についての議決権拘束条項・拒否権条項です。

典型例1 株式譲渡についての拘束

同意条項

他方当事者の承諾なく、株式を譲渡してはならないという約束です。

これは、株主と株主の間で同意することは有効ですし、違反した場合の違約金を決めることもできます。

ただ、注意しなければならないのは、会社と株主の間で同意条項を締結することはできないということです。

理由は、会社法で会社が株主に譲渡制限をするために、株主総会という正式な手続で定めなければならないというルールを決めているからです。

先買権条項

一方当事者が株式を処分しようとする場合に、相手方に通知する義務があり、相手方は他に優先してその株式を購入する権利があるという条項です。

これも、株主と株主の間で締結します。

売渡強制条項

相続が生じた、または従業員持株会において従業員が退職したなどの、あらかじめ合意した事項が発生したときに、他の株主に対して株式を売り渡す義務を定める条項です。

これも、株主と株主の間で締結することが多いですが、それだけではなく、従業員持株会の規約で定めることもあります。

 

典型例2 議決権拘束

議決権拘束条項

株主の間で、議決権を、一定の方向で行使することを約束するものです。

2派がいる場合に、それぞれの取締役数を何人ずつか定めておくような場合に使ったりします。

この場合も、違約金を定めることで拘束力をもたせることが出来ます。

拒否権条項

会社の経営上一定の重要事項について、当該株主の事前承認を要求することを約束する条項です。

一定の投資家・スポンサーに権限をもたせるときに使われることがあります。

株主間契約のメリット・デメリット

メリット

当事者の合意なので、簡易です。

 

デメリット

違約金条項を定めたとしても、お金を請求できるだけで、違反されても、その効力自体を否定することはできません。

 

本格的な利害対立が生じる場合は会社法上の正式な手段を

株主間契約は、簡易で暫定的なものとしては意味がありますが、

利害対立が明らかになり、先鋭化したら、違約金覚悟で押し切られることもあります。

できるならば、会社法上の種類株式や、属人的定めなどによることが望ましいでしょう。

 

弁護士 杉浦智彦

 

 

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