労務

目を背けたくなるが、承継前に労働者と労働条件を整理しなければならない

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先日も、中小企業の承継に関連して、「従業員から残業代を請求された。これまでそんなことなかったのに。従業員が希望するから、裁量を多く与えていたのに、まさか残業代を請求されるなんて・・・許せない。」という相談がありました。

私も、気持ちはわかるところです。

ただ、法律や裁判所は、企業を守ってくれません。多くの場合、従業員が勝ってしまいます。

従業員との紛争で勝つ唯一の方法は、きちんと就業規則を定め、労働契約を整備することです。

ただ、この整備は、「そんなもの聞いていない」という従業員の反発もありますし、雇い主としても、目を背けたいと思うのが当然な事項です。

それでも、後継者が整備をすることは大変です。なぜならば、矛先が後継者に行き「先代のときは、こんな細かいこと言われなかった。働きにくくなった。後継者の思う通りに動いてやるもんか」といわれてしまうことも多いのです。

 

会社をずっと残すためにも、先代経営者が、「最後の大仕事」として、就業規則などの労働条件を整備し、文章で合意内容を残さないといけません。

そのサポートのため、弁護士、また社労士でもよいので、使っていただければと思います。

 

弁護士 杉浦智彦

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