事業承継税制

事業承継税制を読み解く(3)~「特例後継者」とは

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「特例後継者」とはなにか

平成30年の事業承継税制で導入されようとしている要件の一つが、「特例後継者」への贈与・相続というものです。

 

この特例後継者とは3つの要件を満たす者(2パターン)を指す予定です。

パターン1(単独後継者型)

①特例認定承継会社の特例承継計画に記載された当該会社の代表権を有する後継者で、

②同族関係者と合わせて同社の総議決権数の過半数を保有し、

③当該同族関係者のうち議決権を最多保有する者

パターン2(複数後継者型)

①特例認定承継会社の特例承継計画に記載された当該会社の代表権を有する後継者で、

②同族関係者と合わせて同社の総議決権数の過半数を保有し、

③’当該特例承継計画に記載された当該後継者が2名又は3名以上の場合には、その当該議決権数がそれぞれ上位2名又は3名の者で当該総議決権数の10%以上を有する者

 

このうち、③と③’の意味は分かりにくいので解説すると、

(1)特例承継計画に記載された後継者が1名の場合は、最多議決権保有者であること、
(2)同計画に記載された後継者が2名の場合は、最多と第2位の議決権保有者であること、
(3)同計画に記載された後継者が3名以上の場合は、最多、第2位、第3位の議決権保有者であること、
(4)上記(2)、(3)の場合は、当該2名または3名全員の後継者の議決権保有比率が10%以上であること、

ということです。

仮想事例ですが、たとえば後継者がABCの3名おり、先代経営者が51%の株式を保有しているような場合、

後継者Aさんに34%

後継者Bさんに15%

後継者Cさんに2%

という形で贈与をした場合は、AさんBさんだけが「特例後継者」となり、Cさんは(4)の要件によって納税猶予を得られなくなります。

 

特例後継者に該当すれば贈与税・相続税が猶予される?

しかしながら、特例後継者に該当するということは、専門家の関与がなければ難しいといえます。

なぜならば、要件1に該当するためには、「特例認定承継会社」に該当することと、「特例承継計画」を作成することが含まれているからです。

これらの要件を満たすために、どのようなことをしなければならないか。

次回以降に続きます。

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